とある飛空士への恋歌4

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あらすじ

はじめて愛した人は、最愛の母の仇だった。幾百の空砲がイスラの青空に虚しく響いた。本来、死者を納めるべき木棺は、主なきまま聖泉へと落とされていく。「――わたしは卑怯だ」仮面の裏に感情を押し込めることには慣れていたはずの、クレアのこころが揺さぶられる。若き飛空科生徒たちの死は、ひとり避難し、生きながらえたクレアの身を苛んでいた。「――辛いよ。カルエルくん」目の前で仲間を失い、一回り成長したかにみえたカルエルはしかし、皆の信頼を受ける一方で激しく焦燥していた。その晩、感情のままに叫び、走り、思いがけず辿り着いたシルクラール湖でクレアと再会したカルエルは、その心情を吐露し、自分の正体を明かしてしまう。しかしクレアは、カルエルの期待と裏腹に、彼に別れを告げた。「好きだから……さよなら」追いすがるカルエルがクレアを抱き留めようとしたそのとき、夜空から伝う爆音――。空の一族! 空爆と対空砲火により、紅い炎に包まれるセンテジュアル。その炎を背に影絵のように映し出されたクレア。その白い顔からは、感情が失われていた。「……きみ……は……」ついにクレアの正体を知ってしまったカルエルは――。王道スカイ・オペラ「飛空士」シリーズ、衝撃と絶望の最新刊!!※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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