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小説雑誌に連載された「吟行エッセイ」をまとめたもの。金魚は高橋洋子の俳号でもある。編集者とカメラマンをしたがえて北から南へと各地を巡る。行った先々で様々な出来事にぶつかり、ユーモラスな体験をする。城崎では志賀直哉の足跡を追い、ひなびた温泉街に郷愁を覚え、松葉ガニと格闘する。伊豆天城では踊り子を思いながら「踊り子号」の客になる。早咲きの河津桜と猪レースを楽しむ。沖縄では首里城で琉球王国をしのび、万座ビーチでは熱帯魚に囲まれて水中で句を詠む。数々の地を巡り、吟行に励む。そして最後は俳句の聖地・四国松山へ。正岡子規、坊ちゃん団子、道後の湯、そしてやはり桜で締め。ほかではなかなかお目にかかれない、面白く温かい吟行エッセイ。
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