長年フランスを敬遠していた私だったが、40代半ばを過ぎて、パリ郊外に住む叔母ロズリーヌの家に居候することに。毛玉のついたセーターでもおしゃれで、週に一度の掃除でも居心地のいい部屋、手間をかけないのに美味しい料理……。彼女は決して無理をしない。いつだって自由だ。パリのキッチンで叔母と過ごして気づいたことを綴ったエッセイ。
「古いもの」が好きなケンは、古代遺物の『レコード』が奏でる魅惑的な調べに聴き入る毎日を送っていた。そんな彼が恋をしたのはジャケット写真の中で微笑む女性。「彼女に会いたいんだ」大それた願いは思いがけぬ出来事を招き……。(「ボクはニセモノ」) 中古品やおさがり…
お酒のせいなんです!! お酒の席は飲める人には楽しく、下戸には不可解……。女性作家によるエッセイ11連作。■無理 朝倉かすみ/下戸の悩み 中島たい子/初めての飲み会 瀧波ユカリ/十八の夜の話 平松洋子/ザル女という噂 室井滋/酒瓶にも警告ラベルを!? 中野翠/ひ…
ロングセラー『漢方小説』の著者が、中年期の身体や心模様を軽妙なタッチで描き、気持ちがほっこりなごむ傑作。総合病院のカフェを舞台に、不妊の夫婦、患者との関係を模索する医師などが、治療とは何かを問いかける。
【第28回すばる文学賞受賞作】ストレスだらけのあなたに贈る処方箋――。31歳独身の脚本家みのりは、元彼の結婚話を聞いて以来、原因不明の体調不良に。行き着いたのは漢方診療所。身体が回復していく過程は、自分をふりかえる時間でもあり…。
28歳女子の妄想が走り始める! 男の人を見ては、「この人と結婚するかも」と思ってしまう節子。そんな自分を反省するが、英会話教室で出会ったケンのことが気になって……。妄想と勘ちがいを描く全2編。
PMSに振りまわされる女性の悲喜劇。三十歳過ぎのイラストレーターの私。仕事ももうひとつだが、あの前になると感情、食欲のコントロールがきかなくなって…。PMSに向き合う女性の奮闘を、ユーモア豊かに描く。
スーツ姿から「会社員」と呼ばれた稀代の大泥棒は、運命の女性と出会い泥棒から足を洗うことに。二人が見つけた新居は、過去に盗みに入ったことのある中古の一軒家だった――(「家を盗んだ男」)。ユーズド人工心臓を移植してから、食べ物の好みや行動が変わってしまった男。…
貴世は39歳、独身、小説家。体験のない「殺人」は書けても、体験のない「結婚」が書けずに悩んでいる。そんな貴世が、結婚小説のリサーチのため蕎麦打ち合コンに潜入。なんと急性蕎麦アレルギーを発症するものの、朦朧とする意識の中で、ある男性と出会い……。出会いをよせつけない磁場を抜け出して、遠かった「結婚」がついに現実に!? 幸せを求めて、貴世が選んだ「私らしい結婚」の答えとは?
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