真一は、今は亡き父の愛人だった桐野小夜子の家に向かっていた。これで二度目だ。一度目は父の死の知らせを受けたとき。今回は妾宅に関して遺言状に記された話をつけるためだった。大学の助教授をしていた、まじめだけが取り柄だった父はなぜ、小夜子にのめりこんだのか…この女の故郷にいついた理由は──いつの間にか、真一の前に酒が用意されていた。「お月見には、お酒がなくてはいけません」。妾宅から川を挟んで見える月はき
この清らかで美しい肉体を、あのサラリーマンに金で売ったのだろうか──妻方の姪、女子高生のなつきを小野木が引き取ったのは大震災のあとだった。平日の昼間、三十前後のサラリーマン風の男についていくなつきを見たのは、四十五歳の小野木が若い女子社員たちと市民センターのエントランスが見えるビストロで昼食をとっていたときだった──その日のことを、妻の留守中、ふたりきりになった際に切り出すと、否定しないなつきに小
妻をいじらない指…夫はいまごろその白い指先で他の女を喘がせているのだろうか? 罪悪感に苛まれながら自慰行為に耽る白金婦人を描く「桜姫」ほか、渇いた肉欲を秘めやかに暴走させる女たち。その気になった女の疼きは誰にも止められない。読み放題コーナーで配信した「桜姫…
バリバリと仕事をこなし男に隙を見せないような美人ほど、欲求が激しいようだった。冷感症に悩むキャリアウーマンが特別室の診台で足を開いて秘部をさらけ出すとすでに息は乱れている。(「布海苔」より)。性の深淵を描く新感覚官能短篇全八篇。
「君のここの毛を抜かせてくれないか?」有能な財務省キャリアの利香子は、行きずりの男にホテルのベットでこうささやかれた。はじめは嫌がった「毛抜き行為」に次第に身も心もとらわれていく女の情熱を描く「毛抜き」。グルメ評論家の男がはまった、女体グルメの罠「舐める…
「いつもチラチラ盗み見てるけど、こういうことしてみたかったんでしょ」裕樹は茹だったように赤面しているが、まなざしは真剣そのもの、手の中でたわむ柔肉に釘付けだ。「わたしでよかったら、最後まで教えてあげようか」
柔らかくふくよかな女体の心地よさ、温もりが、肌に染みてくる。前だけではない。両腕で拘束している背中も、いかにも女体というたおやかな感触だ。なお俊一は、抱き締めていた。真奈美が何か言うかするかしてくるまで、この心地よさに浸っていたい。
「こりゃあ手に吸いついてくるぜ。くそ、こんなにぷりぷりさせやがって……」ごつい手にもかかわらず、秋本の手は精巧だった。乳房を持ち上げるようにわしづかみ、右回り、左回りと、柔らかく揉みしだく。指の一本は、絶えず乳首をかすかな感触でこすっている。
悠也は人差し指を第二関節まで口の中に含んだ。ねっとりとした感じで舌を這わせる。生あたたかくしっとりとした舌先で舐めまわされると、胃の辺りが切なくなるような感覚が込みあげてくる。「あっ、だめっ……だめよっ……」
美しき重役秘書のバッグからこぼれ落ちたピンクローター。思いもかけぬその品を目にした人事部長の斉藤は……。<「君がどうやってこれを使うのか、教えてほしいな」斉藤はブラウスのボタンを外し、由紀恵の胸をはだけた。振動するローターを手に持ち、由紀恵の胸に近づけてい…
心の中でKに話しかけながら、あゆみはわれ目の中に指を入れた。すでに大量の蜜であふれていた。いつものオナニーよりもずっと多い。あゆみの指先は蜜の海に溺れこんでしまって、どこに何があるのかわからない状態になっていた。
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