後漢末の中国、朝廷は修復不可能なほど腐敗していた。宦官や外戚による収賄政治がまかり通り、各地で農民による反乱が起こる。ついに太平道の張角らが信徒を煽動し大規模な一揆を起こす。黄巾の乱である。ここに乱世の幕が開く。性は劉、名は備、字は玄徳。劉備は関羽、張飛…
わずか三万で百万の黄巾軍にたちむかうと聞いて、その勝ちを予測するものは誰もいなかった。しかし、曹操はやってのけた。飛躍するための闘いに勝ったのだ。戦後、黄巾軍に侵攻を許し、降兵から精鋭五万を麾下に加えた。一躍天下に覇を唱える一角になった。 一方、袁紹と袁…
曹操は呂布との最後の決戦に挑む。先鋒は、下ヒ城を追われ曹操を頼り、客将となっていた劉備一党。後詰めに二十万の大軍を率いる曹操。絶体絶命の呂布。赤兎馬と配下の黒武者隊は呂布が盾となり戦線を離脱する。遂に広原の怪物・呂布も囚われの身となる。曹操は問う。お前の…
神奈川県警の刑事・梶は、同僚の吉村が惨殺され、気のいい売春婦・ミミまでが射殺されたことに怒り、復讐を誓う。麻薬密売組織の虎籐組や一竜会を叩くが、空振りに終わり、拳銃密売組織に狙いを移した。一番怪しい人物は高崎、だが彼は胆石手術で入院中だった。そのうちに、吉村の遺品を処分した者が浮かび、追った梶は虎籐組の大和田と下山を射殺してしまう。ところが彼らは、吉村殺害の犯人ではなかった。梶に反目する刑事の須藤
洛陽は焦土と化し、都は百万の民とともに長安に移された。董卓の強引な遷都だった。後漢王朝の実質独裁者になった董卓の暴虐ぶりはさらに激しさを増す。誰もその蛮行を抑えることができない。しかし、董卓は大きな過ちを犯した。呂布の琴線にあまりにも無神経だった。さらに…
下ヒ城を手に入れた劉備の下に、曹操と袂を分った陳宮と呂布がやってきた。関羽と張飛の反対を押し切って、義侠の大儀のために陣営に迎え入れたが、一抹の不安が残った。なんと言っても、陳宮である。当代随一の陰謀家陳宮だ。 一方、揚州の袁術の下に身を寄せていた孫策に…
曹操の父は徐州の陶謙の配下によって殺害された。これを期に曹操は一気に徐州を攻め立てる。潰走する陶謙は劉備に助勢の使者をたてた。決して好漢とは言えない将軍だがかつて劉備は恩を受けた。義には義で返すことを信条とする劉備は関羽、張飛とともに陶謙が立て籠る城に入…
呂布と陳宮に下ヒ城を追われ曹操を頼った劉備一党。屈辱を胸に隠し、客将となる。急激に力をつけてきた呂布は曹操にとって脅威だった。曹操は二十万の兵を従え、呂布と陳宮の籠る徐州下ヒ城を攻める。先鋒は劉備と趙雲。城門を出た呂布は赤兎馬に跨がり、方天戟を構えた。広…
董卓は少帝を廃し、陳留王・協を第14代皇帝とし、自ら相国の地位につき、漢王朝の支配権を手に入れた。暴政暴虐の限りを尽す董卓についに反旗を翻す反董卓軍が結成される。曹操、袁紹、袁術、孫堅を中心にシ水関に集結。決戦の時が迫る。その時、防壁の中から怒濤の勢いで騎…
曹操は出世など望んではいなかった。天下に号令することだけを目指していた。劉備とその両腕のような関羽と張飛が欲しい、と思った。彼らがいれば天下が近づく。しかし、彼らは独立不羈の志を身体の芯に隠し持っていた。一方、揚州呉郡から孫堅が義勇兵を率い、乱世に馳せ参…
少帝を廃し、陳留王・協を第14代皇帝とし、自ら相国の地位についた董卓は後漢王朝の独裁者となり、残虐非道の限りを尽す。洛陽を出奔した曹操は打倒董卓の檄文を各地に送る。ついに反董卓連合軍が結成され、シ水関で激突する。しかし、先鋒の孫堅軍に、劉備軍以外は誰も援軍…
曹操の烏丸への北伐が成功し、荊州が南征に怯えるなか、劉備は新たな軍師を求め隆中を訪れる。そこに住むのは諸葛亮孔明――〝臥竜〟と呼ばれ静謐な竹林に独りで暮らす青年に、熱く志を語る劉備。その出会いは、動乱の大地に大きな光を放つ。周瑜が築き上げた水軍を率い、ついに仇敵・黄祖討伐に向かう孫権。そして、曹操は三十万の最大軍勢で荊州と劉備を追いつめていく……。傑作「北方版・三国志」新装版第六巻!
洛陽から長安に遷都した董卓の暴虐は司徒である王允ですら止められず、その残忍さは日ごとに増していた。董卓誅殺を目論む王允は自らの野望を実現するため、董卓直属の中でも別格の精鋭である呂布軍を動かすべく画策し、呂布の妻・瑶に接近する。一方で黒山の賊と対峙する曹操は、その後に控える百万の青州黄巾軍との戦を視野に入れていたが――。命を賭して乱世に身を投じた英傑たちの生き様を描く「北方版・三国志」新装版第二巻
混迷深める乱世にひときわ異彩を放つ豪傑・呂布。劉備が自ら手放した徐州を制し急速に力をつけた呂布は、圧倒的な戦力を誇る袁術軍十五万の進攻を僅か五万の軍勢で退けてみせた。呂布の脅威に晒された劉備は、屈辱を胸に秘めながらも曹操を頼り、客将をなる道を選んだ。そして曹操は、万全の大軍を擁して宿敵呂布を討つため闘いを挑む……。戦乱を駆け抜ける漢たちの生き様を描く、傑作「北方版・三国志」新装版第三弾!
四百年続いた漢帝国は衰退し、崩壊への道を辿っていた。政は乱れ、賊が蔓延る後漢末期の乱世に、ひとりの英傑が立ち上がる。漢の名前は劉備玄徳。義に厚く、漢帝国の復権を目指す劉備の志に賛同し、義兄弟の契りを交わした関羽と張飛とともに、叛乱を起こす黄巾賊との闘いに挑む。新時代を切り開く曹操、呉の礎を築いた孫堅など、群雄割拠の時代を駆け抜けた漢たちを壮大なスケジュールで描く――。 北方謙三の名著「三国志」が装
宿敵・呂布を倒した曹操は、中原での勢力を揺るぎないものとした。兵力を拡大した曹操に、河北四州を統一した袁紹の三十万の軍との決戦が迫る。袁術軍の北上に乗じ、ついに曹操に反旗を翻した劉備。父の仇敵黄祖を討つべく江夏を攻める孫策と周瑜。あらゆる謀略を巡らせるとともに、圧倒的兵力で曹操を追い詰めようとする袁紹。戦国の両雄が激突する〝官渡の戦い〟を描く、傑作「北方版・三国志」新装版第四巻!
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