“セルゲイ・コロドフ。コロドフ・エンタープライズCEO”ハナは渡された名刺を見て、思わず目をみはった。彼はモスクワの赤の広場で、すりに遭ったところを助けてくれた男性。でもまさか、泊まるように言ってくれたこのホテルのオーナーだなんて。ハナは案内された豪華なスイートルームを見まわした。セルゲイはさらに、今夜、ディナーをともにしたいという。ニューヨーク郊外の小さな町からやってきた旅行者に、彼のような大富
ジョジーは格式のある旧家の生まれだが、家風になじめず、家族とは距離をおいて暮らしている。型にはめられたような生き方が大嫌いなのだ。ところが、マイペースな彼女の生活に変化が訪れた。彼女が勤める貴族の館の主が亡くなり、その親族のウィルが新しい主としてやってきたためだ。ジョジーが携わっている館内の観光客向け喫茶室の運営に、ウィルはあれこれと口を出しはじめた。そしてあろうことか、グレーの制服を着るよう彼女
十年前、マリアンはセブと出会い、運命の恋人と確信した。しかし彼はある日突然、行き先も告げないまま姿を消す。その後、マリアンは彼の素性を知った。プリンス・セバスチャン二世――アンドヴァリア公国の君主。王族と平民、結ばれるべくもない二人だったのだ。月日は流れ、歴史学者となったマリアンは、王室の招きでアンドヴァリアに滞在することになった。セブと再会し、マリアンの心は乱れた。彼への思いは消えていないどころ
トレイシーはここ数年、金持ちのわがまま娘を演じてきたが、祖父が亡くなり、相続人として会社経営を引き継いだ今、状況は一変、重役たちを見返さなくてはいけなくなった。でもどうやって?そう、ニコスの助けが必要だ。ニコス――かつてトレイシーが憧れ、夢中になった男性。ビジネスで成功した彼なら、きっとどうすべきか教えてくれる。トレイシーはさっそくギリシアへ発ち、彼との再会に胸躍らせた。現れたニコスが別人のように
カライナはつらい思いをしたため家にひきこもっていたが、ある日社交生活を再開しようと決めた。そんな折、テキサスの名家の御曹子ジュードと知り合う。彼のような世慣れたプレイボーイなら、今の私にぴったりだ。気軽なデートだけして、心が癒えるのを待てばいい。そう感じたカライナは彼の誘いに応じ、二人で出かけるようになる。だが一つ誤算があった。ジュードとともに過ごすうち、カライナは彼に恋をしてしまったのだ。
若き経営者にしてシカゴ財界の有力者ディーン・ローガン。それが、秘書ジョディが五年もの間仕えてきた人物だ。仕事中の彼は厳格で笑顔ひとつ見せたことがない。そのくせ、私生活では群がる美女たちと短い交際を繰り返し、しばしばジョディに後始末を押しつけている。わたしのことなんて便利な機械としか思っていないんだわ。彼女はなかばあきらめの境地に達していた。ところが、そんな彼に異変が起きた。目下の恋人にふられたのだ
ジョディは隣人のアレクサンダー・コッブに、ずっと思いを寄せていた。ある日コッブ家のパーティで、シャンパンを飲みすぎた彼女は、酔った勢いにまかせてアレクサンダーをベッドに誘い、ぴしゃりとはねつけられてしまう。「彼女を二度と僕に近づけるな」激怒した彼が妹に言うのを聞き、ジョディは傷心を抱えてコッブ家を去った――もうアレクサンダーには会わない、と心に決めて。だが二週間後、彼が突然ジョディのオフィスに現れ
■遊び慣れた大人の男のはずの大富豪が、世間知らずの秘書に振り回されるとは!■テキサスの石油王と呼ばれるハンク・ラングリー。今まで結婚をあまり真剣に考えずにきた彼だが、年齢的にも、そろそろ身を固めるころだと思いはじめた。ハンサムで大富豪とくれば、花嫁候補に不自由はしない。いろいろ考えた末、ようやく、洗練されて、妻として申し分のない女性二人に候補を絞った。だが、それでもまだ、ハンクは結婚に踏み切れない
■愛の手ほどきを受けたあの夜から私にはもう、あなたしか見えない。■幼くして両親を失い、天涯孤独となったナタリーにとって、隣に住むキレイン家の人々は家族も同然だった。なかでも一家を支える長兄マックはあこがれの人。ナタリーが十七歳だったときのこと。ある夜友を失って悲しむ彼女をマックは優しく抱きしめ、甘い口づけをして燃えあがらせた。だが彼はその後、ナタリーのことなど忘れたかのようにあまたの女性とデートを
■彼の中で私は常に〝二番目〟だった。きっとこれからもそれは変わらない。■三年前より、彼はさらに魅力的になっている。別居中の夫ダコタと久々に再会したキャシーは思った。領事館員である彼女と、退役軍人の夫は、とある国をクーデターから救う任務に夫婦として就くことに…
オーストラリアの難民収容所で、ハニはつらい暮らしをしていた。ハニと名乗ってはいるけれど、実の名は知らない。しかし、彼女が見る夢の中ではほんとうの名前があり、人々に愛情をこめて、プリンセスと呼ばれていた。バジェスタンの聖杯番シャリフは、ハニのいる収容所を訪…
■夢は海賊に熱烈に愛されること。それがいきなり現実になるなんて!■クレアは結婚式を間近に控えたある日、婚約者のふるまいに気分を害し、パーティ会場を抜け出した。結婚は親が決めたようなものだったが、自分をないがしろにする彼の態度に頭にきたのだ。そのとき、あてどなく車を走らせる彼女を狙って二人の暴漢が現れた。しかし、間一髪のところでバイクに乗った男に救われる。男は野性的で荒っぽく、クレアが日頃夢見ていた
あなたの恋人のふり、ですって…?あきらめると決めたばかりの、大好きなあなたの――。ジョディは隣に住むアレクサンダー・コッブに、もう長いこと片思いしている。 ある日、コッブ家のパーティでシャンパンを飲みすぎてしまい、 酔った勢いで大胆にも彼をベッドに誘った。 だ…
夢の一夜の情熱は、恋? それとも…。涙をにじませて、クレアは屋敷を飛び出した。結婚式が間近に迫った今日になって、婚約者が残酷にも彼女の姉に心変わりしたことに気づいたのだ。やみくもに車を走らせた彼女は暴漢に襲われかけ、間一髪のところで、野性的でたくましい男…
幼いころに両親を亡くし、車の整備士の伯父に育てられたイジー。その伯父も亡き今、彼女は独りぼっちだった。母のたった一つの形見は、家族に伝わるという古い木箱だが、鍵が行方不明なので、開けることができない。ある日、イジーの職場に黒塗りのリムジンが横づけされる。側近を従えて降りてきたのは、端整ながらもどこか野性的な男性だ。「きみがイザベル・ポーサードだね?」彼は親しい人しか知らないはずの本名をたずね、返事
ケルシーが六歳の少女マライアの家庭教師兼乳母になったのはダラスきっての実業家でマライアの父親であるライアンが高校時代のクラスメートだった偶然からだ。かつてひそかな憧れの的だったライアン。妻を亡くした彼に身近に接すれば、昔の思いがよみがえる。だが、彼女にはためらいがあった。結婚生活ははるか前に破綻していたとはいえ、夫を亡くしてまもない身なのだ。だいいち彼は娘のために私を必要としているだけ。私自身を求
アニーが勤める病院に新しい診療科が創設されることになった。リーダーは著名な小児心臓外科医、アレックス・アトウッドだ。病院に現れた彼に会った瞬間、アニーは自分の目を疑った。私は五年前、この人に会っている! 夜、とあるホテルのバーで。互いに名乗ることもなく、テラスに出てダンスを楽しみ、そして、キスを交わした。ただそれだけ……。でも、あのキスのおかげで、アニーは勇気を得て夫の暴力から逃れ、名前も髪の色も
あるときキャロラインは富くじで豪華海外旅行を当て、異国情緒あふれる魅惑の国、西バラカットにやってきた。案内役として現れたカイファルに導かれながら時をすごすうち、知性と気品に満ちたその男性の虜になっていった。生まれて初めて抱く愛に戸惑うキャロラインだったが、彼から誘惑されると、抗うすべもなく身も心も捧げてしまう。しかし、次に目を覚ましたとき、思わぬ事態が待ち受けていた。周囲に王子と呼ばれるカイファル
海運会社に勤める有能な秘書クローディアはボスのサムからタザティーンへの出張に同行するよう求められた。サムはアメリカにいるときはただの支社長でも故国タザティーンに帰れば、やがては首長国を治めるシークだ。クローディアにとって初めての飛行機の旅、初めて訪れる国。普通なら心躍るはずのその旅はひどくつらいものになりそうだった。サムが出張と同時に家族が決めた名家の女性と婚約するからだ。この二年間、クローディア
並び替え/絞り込み
並び替え
ジャンル
作者
出版社
その他