シドニーは今日、離婚手続きの書類にサインして、夫のマリクに送った。これで1年におよぶ別居生活に終止符が打てる。マリクはジャーファルという砂漠の国のプリンスで、一緒にいる相手をいつも特別な女性になったような気分にしてくれる人。でも、もう至福の時期は終わってしまった。結婚は間違いだったと、彼が兄の国王と話しているのを、シドニーは聞いてしまったのだから。ところが、マリクはシドニーの決意を見越したように、
サンティナの皇太子の婚約披露パーティで、隣国アマンティの観光大使アナはひとり物思いに沈んでいた。皇太子とは幼少のころからの婚約者同士だったが、彼は突然アナとは別の女性と恋に落ち、婚約してしまったのだ。今夜のパーティで幸せそうな皇太子を見るのは辛すぎる。ちょうどそのときレオというゴージャスな実業家を紹介され、彼を案内することになるが、飛行機の故障で2人は無人島に着陸した。皇太子の妻となるためこれまで
パーティ会場に向かうリムジンの中で、フェイスは落ち着かなかった。隣に座るのは社長のレンツォ。私は予定していた恋人の身代わりだけど、彼は地味な秘書の変身ぶりに、少しでも気づいているだろうか……。もちろんフェイスは、ボスの個人的な頼みなどすぐに断ろうとした。でも結局、給料1カ月分の上乗せを条件に、押し切られてしまった。彼の下で働いて半年、フェイスはなんとか彼の魅力にあらがってきた。けれど、フェイスの変
一夜だけでもいい、自信に満ちた魅惑的な女性になれたら。その一心でティナはベネチアの仮面舞踏会へ出かけ、身を捧げたいと思えるすてきな男性とめぐりあった。「仮面はつけたまま、名前も明かさないことにしよう」耳元でささやかれたその言葉に、彼女はこくんとうなずいた。ところが、夢のような時間を過ごしたあと、ティナはどうしても素顔を見たくなり、眠る彼の仮面をそっとずらした。まさか初めての男性が、兄の仇敵のニコだ
名門バルフォア家の舞踏会に、当主の姪メレディスはイタリア富豪の夫アレッサンドロとともに招待された。仕事先から遅れて参加する彼とは、喧嘩と仲直りを繰り返す日々だが、今は、前日に判明した妊娠のことを伝えたかった。ところが会場でありえない噂を耳にする――夫の旧友…
ジャーファル国の王子アダンは秘書からの報告に我が耳を疑った。2年ほど前に砂漠へと姿を消し、亡くなったものと思われていた妻、イザベラの姿をハワイで見かけた者がいるというのだ。王位継承を間近に控えているアダンは、自らの目で確かめるために自家用機で現地に飛んだ。マウイ島のバーで歌手として活躍しているイザベラは、ある晩いきなり控え室に現れた男性の言動に衝撃を受けた。射抜くような黒い瞳に怒りを浮かべ、彼はこ
大富豪の娘フランチェスカは、父親の死後、母と姉にうとまれ、今は命の恩人であるジャックという老人とつましく暮らしている。だがジャックが癌だとわかり、その治療費を作るため、実業家マルコスから〈悪魔の心臓〉という名の宝石を取り戻そうと考える。マルコスとは18歳のときに結婚し、〈悪魔の心臓〉を贈ったが、彼は初夜も済まないうちにそれを持って姿を消した。その恨みを晴らすためにも、宝石を奪い返してみせる。しかし
あの男たちは私を狙っているのかしら? ペイジは夜のモスクワの町をひとり逃げまわった。社長秘書をつとめる彼女はボスの出張に同行中だが、一緒に来た妹の姿が見えず、仕方なく自分で捜すことにしたのだ。しかし、いかにも外国人といういでたちは、酔っ払いのかっこうの標的になってしまったらしい。ようやく暗闇に隠れたが、そこにいた男に体をつかまれ、ペイジは恐怖に息をのんだ。とうとうつかまってしまった!だが次の瞬間、
一夜だけでもいい、自信に満ちた魅惑的な女性になれたら。その一心でティナはベネチアの仮面舞踏会へ出かけ、身を捧げたいと思えるすてきな男性とめぐりあった。「仮面はつけたまま、名前も明かさないことにしよう」耳元でささやかれた言葉に、彼女はうなずいた。ところが、…
「シークに買われた花嫁」スーザン・マレリー作■ビクトリアはエルデハリアの王宮で秘書を務めている。ある日、音信不通だった父親がふらりと現れ、王子の一人であるケイテブと賭をした。いかさまを見破られて投獄を言い渡された父親を助けるために、ビクトリアはケイテブの…
リリーは地中海の小国モンテビアンコの留置場で震えていた。本当は、こんな国になんて足を踏み入れたくもなかった……。仕事でやむなく来ただけで、滞在もわずか2日の予定だったのに、町で買った土産物に盗品があったせいで出国できなかったのだ。でもまさか、ここで彼とでく…
裏切り者の君には僕の面倒を見る義務がある。5年ぶりに会った夫の言葉に、彼女は震えた。どうか、どうか生きていてくれますように。夫のオルシーノがヒマラヤで遭難したとの知らせに、ポピーは急いで現地に飛び、祈りながら病院に足を踏み入れた。暴力を振るう父から逃れた…
一夜を過ごした夢の恋人の正体は、彼女の全てを奪い去ろうとする悪魔だった。オーラの父が経営するホテルは業績が悪化し、〈チャッツフィールド〉による買収が進められていた。交渉のためには相手をよく知っておかなければ。そう考えたオーラはチャッツフィールド・ロンドン…
私は猫になぶられる小鳥と同じ。傲慢な御曹司と一緒に暮らすなんて。幼くして両親を失ったホリーは、ワイナリーを営む祖父に育てられた。以来、彼女にとっては女性らしい楽しみよりもワイン造りが最優先。その甲斐あってか、祖父との汗の結晶であるワインの評価は高まり、有…
荒れ果てた屋敷に住む億万長者は、訪問者をとりこにする美しき野獣だった。ニコロ・チャッツフィールドをホテル経営に協力させろですって?CEOである上司の無謀な命令に、秘書のソフィーは頭を抱えた。隠遁中のニコロを訪ねて説得を試みるが、案の定、追い返されてしまう。…
熱い抱擁も甘美なキスも、すべては人目を欺くため。エミリーは、建設会社を経営するカディルの生真面目な個人秘書。毎夜ベッドに女性を招き入れるプレイボーイの彼を従順に支えている。実は彼にはもう一つの顔があり、砂漠の国キルの王子でもあった。ある晩、緊急の電話が入…
実業界で大成功を収めた夫のラファエルは多忙をきわめ、ライラがこの1年で共に過ごせたのはただの一度きり。今日、コート・ダジュールで久しぶりに夫と再会し、めくるめく1週間を過ごすのをライラは心待ちにしていた。ああ、早くラファエルのたくましい胸に飛びこみたい!だ…
愛しいボスと火遊びなどできない。わたしはきっと、灰になってしまう。日曜日の朝6時、電話が鳴り響く。「エラ、今すぐ来てくれ」サント・コレッティの個人秘書として働くようになって4カ月、時間外の呼び出しには慣れっこになっていた。イタリアなまりの強い、深みのある低…
ヨーロッパの小国モンテヴェルデの王女であるアントネッラは、国の財政的危機を救うため、パーティで大富豪に投資を持ちかける。だが、敵国の皇太子クリスティアーノのおかげで、莫大な資金は敵国に流れることになってしまった。失意のまま帰国の途につくが、折しも嵐が近づき、クリスティアーノの自家用ジェットに同乗させてもらうことになる。さらに運悪く、ジェット機が途中で燃料切れを起こし、二人はある別荘で嵐の過ぎるのを
天涯孤独の身となった彼女の前に、本物の王子様が現れた。亡くなった母の最後の手紙を読み、リヤは衝撃を受けた。彼女の実の父親はホテル王ジーン・チャッツフィールドだという。偶然にも〈チャッツフィールド・ロンドン〉では、母の故郷である砂漠の国の皇太子サイードの宿…
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