コリンはキャリア確立をめざし、仕事に全力を傾けてきた。だが昇進するためには、私生活も充実していることを、社の内外にアピールする必要がある。そこで彼女は見せかけの恋人を手に入れようと決めた。慈善オークションで知り合いのランドを競り落とし、デートする権利を獲得したのだ。自信家で女性の扱いにもたけている彼は、役目に最適だ。「あなたを買ったのはわたし。主導権を握るのはわたしよ」挑戦的に言い放った彼女に、ラ
ジェレミーの来訪をアシスタントに告げられ、イザベラは固まった。ついに契約を実行に移すときがきたというわけだ。かつてイザベラは、両親を亡くし、貧しさのなか必死で弟を養っていた。そんな彼女の前に現れたのがジェレミーだ。弟が一人立ちしたあと、半年間イザベラが彼のものになるなら、経済的に援助しようとジェレミーは申し出た。藁にもすがる思いでイザベラはその条件をのんだのだ。オフィスに入ってきたジェレミーは相変
おまえに大役は任せられない――ボスである父親からの辛辣な言葉に、テンペストはショックを受けた。これまで、父に認められたい一心で必死に働き、充分な実績も出してきた。だが父にとっては、いつまでたっても出来そこないの娘でしかないのだ。そんな折、彼女はパーティの席でギャビン・レナードに出会う。父の会社を乗っ取ろうと企む、いわばビジネス上の天敵だ。不意に、テンペストはある計画を思いついた。父の会社を辞め、ギ
有名私立校で校長を務めるグレースは、三年ほど前から学校の理事長アダム・ボーエンが気になっていた。アダムはレコード会社を経営するリッチな実業家でもあり、長身のハンサムで、どんな女性の心も奪ってしまう。もちろん地味で堅苦しいグレースなど眼中にないらしく、彼女は女性として見られていないことを自覚していた。そこでグレースは、叶わぬ夢を形にすることで満足しようと、彼と自分を主人公にしたロマンス小説を書き始め
ジェインはリゾート開発会社の社長秘書。ボスのアダム・パウエルに秘めた想いを寄せていたが、当のアダムは女性と真剣につき合う気はないと公言している。だからジェインは、いつも有能な秘書役に徹していた。ところがある日、すべてが一変する。かねてから買収を狙っていた…
あの約束を交わしてから3年。ついに“彼のもの”になる日が――大富豪ジェレミーの来訪が告げられ、イザベラは固まった。ついに契約を実行に移すときがきたというわけだ。かつてイザベラは、親もなく、貧しさのなか必死で弟を養っていた。3年前、そんな彼女が出会ったのが、ジェ…
マイアミのナイトクラブでダンスを教えるジェンがひそかに憧れるセクシーな男性。それは雇い主のネイト。二人で同じリズムを感じていると、どうしようもなく彼に惹かれてしまう。ジェンは過去の失恋の痛手から、関係を深めることを恐れていた。それに、ネイトはこのマイアミでは有名なプレイボーイ。彼に夢中になったら、傷つくのは目に見えている。ネイトはジェンの想いを見透かしたようにたくみに誘惑をしかけ、二人はついに情熱
インテリアデザインの会社を営むベッカは、知人のパーティでかつての恋人、カムに再会した。魅惑的なブルーの瞳、たくましい体は記憶にあるとおりだ。「ずっときみを忘れられずにいた。踊らないか?」深みのある声で誘われ、ベッカは夢見心地で彼の手をとった。欲望が燃えあがるけれど、もう一夜の情熱を求める気持ちはない。「わたしには秘密があるのよ……あなたの知らない秘密が」別れのつもりでしたキスが、深く激しいものに変
アメリアはその美貌から、いつしか“パーティ・ガール”と呼ばれ、真面目な素顔とかけ離れた、派手な女と噂されるようになった。知名度があれば注目され、慈善活動にも役立つと気づき、今ではみずから世間が思うとおりの女を演じている。そんな折、アメリアはジェフ・デボンシャーからディナーに誘われた。ジェフは慈善事業を通じて知り合った紳士的な男性で、ほかの軽薄な男たちとはひと味違い、アメリアも好意を覚えていた。でも
ファッション誌の編集長エインズリーは、今でこそ誰もが振り返る美しいなりをしているが、かつては現在より三十キロも太った、冴えない女記者だった。そのころ出会ったのが、ハンサムな実業家、スティーブン。スティーブンにインタビューをすることになったエインズリーは、すっかりのぼせあがって大失態をさらしてしまい、結果、スティーブンには小馬鹿にされ、職まで失ったのだ。あれから五年。スティーブンとの再会のときは唐突
上司との恋で心に傷を負い、職場を去ることになったアストリッド。社内恋愛だけは金輪際するものかとかたく胸に誓うも、社長アシスタントとして採用された新しい職場で、早くもその決意は崩れそうになる。ボスのヘンリーは、十年ほど前に活躍していた元ラグビー選手で、当時アストリッドが夢中になった相手だったのだ。いくら憧れの人がボスでも、好きになってはだめよ!アストリッドは何度となく、そう自分に言い聞かせた。ところ
一族で自動車会社を営んでいるアントニオ・モレッティは、伝説のF1ドライバーの名を冠した新車を発売しようとしていた。だが“ヴァレリオ・ロードスター”の名前をつけるにあたり、祖父の代から因縁のあるヴァレリオ家がストップをかけてくる。名称使用権を巡って交渉をしに現れたのが、ヴァレリオ社CEOの娘、ナタリーだ。アントニオはその美貌と、堅苦しく冷たい態度に興味をそそられた。もしナタリーが交渉に応じない場合は
息子と暮らすアヴァの前に、ある日思いがけぬ人物が現れた。クリストス・シアキス――アヴァがかつて心から愛した男性だ。二年前、ギリシアを訪れたアヴァは彼と出会い恋に落ちたが、彼の兄との不貞を疑われて追い払われたのだった。もしかして、クリストスはようやく認めてくれたの?私の息子が、お兄さんの子などではなく彼自身の子だということを。だがクリストスの話を聞き、アヴァのはかない希望は打ち砕かれた。兄夫婦が事故
華やかな祝勝会のなか、ヴァージニアは悲壮な決意を胸にF1レースの花形ドライバー、マルコ・モレッティを見つめていた。かつてヴァージニアの祖母はマルコの祖父との恋に破れ、復讐を誓い、いにしえの魔術を用いて彼とその一族に呪いをかけた。だが反動で、自らの子孫にまで不幸を呼び寄せ、愛を手にできない運命にしてしまったのだ。このまま一人で一生を終えたくはない……その一心で、ヴァージニアは長年研究をおこない、呪い
情熱を分かち合った夜。彼の冷たさを知った朝……。ジェシーはある日突然、交通事故で無二の親友を失った。喪失感のなか、孤児になった赤ん坊の養育を遺言で託されたことを知る。それには大富豪のアランと一緒に、という条件がついていた。アランとは親友同士が結婚した縁で知…
あなたの愛は求めない。だからお願い、息子を奪わないで……。息子と暮らすアヴァの前に、ある日思いがけぬ人物が現れた。海運王クリストス・シアキス――かつてアヴァが心から愛した男性。2年前、ギリシアを訪れたアヴァは彼と出会い恋に落ちたが、彼の兄との不貞を疑われ、追…
この身に宿した愛しい命を祝福してもらえると信じて決めた結婚なのに。キャシディは妊娠9カ月。子供嫌いな大企業の副社長ドノヴァンに、妊娠を打ち明けられず別れたきりだったが、その日、驚くことに彼が突然訪ねてきた。「結婚してくれ、キャシディ。ぼくたちの赤ん坊の父…
あの夜、授かった宝物のことは彼には言えない……。会議室に入ったキャリは、窓際に立つ男性を見て胸の高鳴りを抑えた。一夜の情熱を交わした億万長者、デック。最後に会ってから1年半が経つ。彼に抱かれたときの記憶そのままの広い両肩と、引きしまった腰。甘い欲望が震えと…
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