古書店経営者3代目・本郷瞬は、訪れた顧客の相談事を一緒に解決をめざす。以下の3作収録!「ブラッククイーン」本郷は知り合いの占い師、村上里絵に相談を持ちかけられた。占いブースを出店したショッピングセンターにあるアパレル店ラミーで津山店長が業務用手帳を盗まれ…
古書店経営者3代目・本郷瞬は、訪れた顧客の相談事を一緒に解決をめざす。「冷たい橋の上」本郷は顧客の北沢に相談を持ちかけられる。勤め先の工場内の各部署を何者かにパーツなどを無断撮影されているという。誰が翻弄者なのか。本郷は工場のあるT市を訪れた。「一途な瞳…
元文元年(一七三六年)夏、江戸・田町の浪人で寺子屋の師匠をする深水出雲はがちゃがちゃ売りの三太に人捜しを頼まれた。芝浦新町の夫婦者の喧嘩の原因が地紙売りの間男のためかどうかを三太は確かめたがっていた。町で聞きこんでいた出雲は地紙売りを見かけた。壮年の美男…
従業員の楠木吉郎の頼みで魚問屋経営者の神楽坂郁子邦男夫妻は近藤昭と楠木ルイのお見合いに仲人役で出席する。乗り気でない昭に真意を聞きに近藤家を訪れた郁子に昭は海で亡くした恋人を語り、最近、父の晋の様子がおかしいことにも悩んでいた。晋に会うと退職金のファンド…
天文二十二(一五五三)年如月、今川義元の家老、由比家に仕える地侍の伴十郎衛門の足軽をする佐平は、夜更けに同輩の孫吉が山中で怪力を放つ光景を目撃する。孫吉の体につけた御札のおかげだと目星をつけた佐平は手に入れようと決める。数日後の晩に佐平は甲州衆に追われた…
飯富(おぶ)裕子は、人材派遣会社の営業事務を担当して多忙な毎日をおくっていた。ある日の帰り道、虫をたたく坊やとはちあわせして「おとなのおじちゃんにおそわった」と告げられた。その後に、裕子の学生時代の悪友=羽柴詩穂にもちかけられた合コンに出る途中で愚連隊に…
忘れかけていたころに人は過去の闇とむきあう。買い物にでかけた尾形雪菜はスーパーで初老男に呼び止められた。石橋の名札に雪菜は戦慄する。あの日が目の前に甦ろうとしていた。高校生だった時に雪菜は同級生の絵里に命じられてゲームに参加させられた。「役にたたないもの…
古書店経営者の本郷瞬は、知人の毒島にさそわれてルーマニアパブを訪れた。そこで、リディアという名のホステスと知り合いになった。そして彼女からある相談をもちかけられる。リディアの母アンナが革命前のブカレストで遭遇した事件についてだった。舞台は1977年にうつ…
韮崎いずみは窓も扉もない部屋にいた。ゆうべ以前のことがなにひとつ思いだせない。部屋の円柱から娘が下半身を埋められているのに気づく。死体の娘だった。過去と現実を知りたくていずみは娘とむきあう。だが娘にも身元をあきらかにするものがない。いずみは娘の埋まる円柱…
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