失恋と失業で傷心のジョディは旅先のイタリアでハンサムなロレンツォと出会う。1年間だけ妻になってほしいと言う彼は、なんと荘厳な屋敷に住む公爵だった!
八年前、キャリーはサンタンデール公国の君主リュクに恋をし、一夜をともにしたものの、翌日にはつらい別れを経験した。彼の名づけ親である伯爵夫人に、仲を引き裂かれたのだ。経済ジャーナリストとして成功した今も、心の傷は消えていない。ところが、伯爵夫人の孫でリュクのお妃候補だったマリアが、キャリーの弟と電撃結婚をすることになり、その報告のために城を訪れなくてはならなくなった。つらい気持ちでリュクと再会し、事
亡くなった祖父母の遺灰を故郷のシチリアの教会に埋葬する――ルイーズにとって、それはどうしてもかなえてあげたい願いだった。でもまさか司祭ではなく、シーザーに会うことになるとは思わなかった。彼は地元で権威を誇る公爵家の当主。埋葬には彼の許可がいるというのだ。教会でシーザーを前に、ルイーズは思わず逃げだしたくなった。10年ぶりの再会だった。彼には今、大人の風格と厳しさが備わっている。18歳のわたしが一夜
まさか、10年後にこんな形で再会することになるとは。隠し撮りした写真を今も大切に持つほど、憧れていたあの人に。ワシーリー・デミドフとの面接を前に、ローラの思いは千々に乱れた。大丈夫、彼のほうはわたしのことなど知らないのだから。自分にそう言い聞かせて面接に臨んだものの、なぜかワシーリーはローラに異様な敵意を燃やし、次々と悪意に満ちた質問を投げかけてきた。憤然として帰ろうとしたものの、彼には切迫した事
英国コッツウォルズの放送局ラジオ・ワイチェスターは開局して間もないというのに、すでに閉鎖の危機を迎えていた。だがある日、ロンドン放送界の大物ジェイゴ・マーシュが経営立て直しのためにやってくることが決まった。懸命に局を支えてきたストームは、このニュースに憤慨した。あんな人に局を仕切られたら、わたしたちは追い出されてしまう。マーシュといえば、これまで数々の成功を収めてきたやり手だが、男尊女卑の考えの持
インフルエンザにかかって寝込んでいたベルは、ドアを開けて元夫を目にしたとたん、気を失った。大手投資顧問会社で働いていた彼女は、当時大学院生だったルークとたちまち恋に落ち、若くして結婚した。収入の差も社会的な地位の違いも愛の前では関係ないと信じて……。傷つけ合って離婚してから7年がたつ。どうして彼は今頃現れたの?
サディは老舗香水メーカー、フランシーヌの調香師。曾祖父が創設した会社は、祖母の家系に受け継がれ、その有名な香水ミュールの調合法を知るのは今やサディのみだ。祖母が亡くなり、筆頭株主となったいとこのラウールは、世界的に有名な合弁企業への買収を持ちかける。ミュールは天然素材のみで作られ、年間の生産量は限られている。合理的な経営方針をとる大企業のもとでは、きっと名声を失うわ。サディは話し合いをするためにラ
美貌を武器に次々と恋人を作っては、容赦なく捨てる悪女。モデルのヘザーには、いつもそんな評判がつきまとっていた。それが深く傷ついた初恋のせいだと知っているのは、従姉だけだった。だが今回ヘザーに言い寄ってきたレイスは、いつもの相手とは違った。危険なまでの魅力をたたえ、彼女への熱い関心を隠さない。レイスはモデルの仕事にかこつけてヘザーをオフィスに呼び出し、愛人になることを条件に大きな契約の話さえ持ち出し
幼い頃に母を亡くし、里親のもとを転々としてきたシェリーは、24歳のある日、思いがけぬ事実を知ることとなった。遠い昔に死んだと聞かされていた父親が、実は最近まで生きていて、ずっとシェリーを捜していたという。シェリーはいてもたってもいられなくなり、亡き父が暮らしていた異国ポルトガルへ向かった。到着した荘厳な館で彼女を迎えたのは、義兄のジェーム伯爵。伯爵はシェリーを見ると、冷酷な笑みを浮かべて言い放った
サディーはロンドンでも指折りの金融機関に就職した。だが喜びも束の間、半年後には不当解雇の憂き目にあい、職を求めてやってきた遠い異国のアラブの地では、雇主の横暴により失業、帰国の旅費もなく途方に暮れていた。そんなとき、彼女に仕事を提供しようという人物が現れる。雇主の家で一度すれ違っただけの男性――ドゥラックスだ。しかも驚くべきことに、彼は隣国のシークだという。本当かしら?まるでアラビアン・ナイトの夢
社交界の人々のためにパーティを企画する会社で働くカーリーは、有望な顧客になりそうな男性リカルドに引きあわされた。彼はナポリのスラム街から億万長者にのしあがった企業家で、カーリーの働く会社にパーティを任せられるか、視察したいという。リカルドに会った瞬間、カーリーはその男性的魅力に衝撃を受けた。一方、リカルドはまったく違った目で彼女を見ていた。金のためなら簡単に体を許す、パーティ好きの貪欲な女だと。そ
ジュリアは親友の夫ニックにしつこく言い寄られ、困り果てていた。うぬぼれの強い彼は、ジュリアも自分を求めていると疑わない。そんな二人の様子を、美術財団会長のサイラスが見ていた。ジュリアの遠縁で、彼女の祖父の爵位と領地を受け継ぐ人物だが、ジュリアとは犬猿の仲だ。サイラスは彼女もニックに気があるのだろうと軽蔑をあらわにした。怒って否定する彼女に、そうでないなら証明してみせろと言う。どうやってと問うと、サ
砂漠の国ズーランの、とある屋外市場の店先で、カトリーナは一人の男性に目を奪われた。瞳は黄金色に輝き、砂漠に生きる者の力強さが全身に漂っている。彼は追われる身らしく、武装した兵士が現れると突然カトリーナに近づき、恋人のふりをさせて場を切り抜けようとした。そして抗う彼女の唇を強引に奪い、兵士たちが撤退するや去っていった。解放されて安堵するべきだ。なのに、なぜ胸が締めつけられるの?相手は危険な人。そもそ
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