それは「家族」と呼ばれるのだろうか。ユダヤ人の夫。日本人の妻。ペルーからきた赤ん坊。異なる三つの旅券をもった男と女が、子どもと大人が、アメリカの小さな町で一つの「チーム」を組んで暮らしはじめた──。著者が移り住んだアメリカのさまざまな町で書き綴られた、さりげなくも感動的な暮らしのスケッチ集。1984年刊行の名エッセイ集、待望の新装復刊。解説:榎本空。「ヤエルはほっそりした長いからだをして、わたした
「訂正可能性の哲学」がケアの哲学だったことを、本書を読んで知った。ケアとは、あらゆる関係のたえざる訂正のことなのだ。──東浩紀人と出会い直し、つながりを結び直すために。「大切にしているもの」をめぐる哲学論考。「僕たちは、ケア抜きには生きていけなくなった種である」多様性の時代となり、大切にしているものが一人ひとりズレる社会で、善意を空転させることもなく、人を傷つけることもなく、生きていくにはどうした
運命、この文学的なるもの「運命とは、あえて大きくいうならば、人間の弱さと創造性に基づいた、本質的に文学的な観念なのだ」(本書より)──『存在の耐えられない軽さ』などの小説作品で知られ、長年ノーベル文学賞の有力候補に名を連ねながら惜しくも世を去った作家ミラン・クンデラ(1929–2023)。東と西、政治と文学、歴史と現在、偶然と必然のあいだを揺れ動く人間の運命を見つめ続けた作家の仕事を読み解く本格評
いつから人は死すべき存在となったのか。そして、死んだらどこへと向かうのか。神話における<死の意味>とは。日本における神話研究の最前線を斬新な観点から平易に伝える<シリーズ神話叢書>、待望の第三弾!本論集においては従来、神話研究において中心だった「死の起源神話」という問題だけでなく、「死」を広いテーマとしてとらえ、死の神話・死の象徴に関わる多様な表象を分析していく。通常あまり触れることのない地域の神
◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、
狂うのが、愛。憎むのが、恋。哲学は「恋愛」を語ることから始まった。クズへの愛はなぜ成立するのか? なぜ私は愛されたいのか? 永遠の愛はどこまで続くのか?――すべて哲学が答えます。現代に流れる「ロマンティック・ラブ」の幻想を解体する驚愕の哲学入門!!!紹介するのは、プラトン、デカルト、ヘーゲル、キルケゴール、サルトル、ボーヴォワール、レヴィナスの七人。彼らはそれぞれが違った仕方で人間と世界の関係を捉
有意義な対話のためのレベル別・超実践ガイド分断と二極化の時代、考えが極端に異なる人とも礼節と共感を保って会話・対話をするにはどうしたらよいか? 友人や家族との会話、ビジネスでの交渉、SNSでの議論……よい会話のための入門級の基礎知識から、強硬派・過激派に対処するための達人級のテクニックまで、すべてを網羅した実践的マニュアル。リチャード・ドーキンス氏推薦「すべての人がこの本を読めば、世界はもっとよい
世界を変えるための「最古の科学」が「儀式」だった――。生活や価値観が猛スピードで変化する現代。昔からある「儀式」は単調で、退屈で、無意味にみえる。でも、ほんとうに? 認知人類学者の著者は熱した炭の上を歩く人々の心拍数を測り、インドの祭りでホルモンの増減を測定。フィールドに実験室を持ち込んで、これまで検証されてこなかった謎めいた儀式の深層を、認知科学の手法で徹底的に調査する。ハレとケの場、両方にあふ
資本主義をさらに暴走させようとする加速主義の時代だからこそ、「ゲームの外側へと降り立つ手順」「世界外への離脱」を探求する撤退的知性が求められている。その鮮やかな実践。──内田樹行き過ぎた市場原理主義、環境破壊による地球温暖化、経済格差の拡大、出口の見えない戦争……多くの矛盾や暴力を生みつつも、疾走を続ける近代システム(民主主義+資本主義+テクノロジーの三位一体)。その先に待ち受けるカタストロフィー
気づけばいま、雑貨界が物の世界を逆に覆いかくしつつある。ほとんどの物が、いつ雑貨屋に連れていってもはずかしくないすがた、かたち、ふるまいを身につけてしまっていて、むしろ雑貨化していない物こそがマイノリティになっているのだ。だとしたらマジョリティとしての雑貨は、もう「雑」という字を捨てて、ふつうに「物」と呼んだらいいじゃないか──本書より物の売買を巡る状況は刻々と変化している。いままさに波にさらわれ
臨床家が読み解き明かしている「背中」の秘密。図解イラスト多数で、セルフチェック・セルフケアも可能な東洋医学入門。あなたの知らない「あなたの背中」が見えてくる。身体の中心にあり最も広大な面積をもっているのに、これまでほとんど「中心」として扱われることのなかった「背中」という〝空白〟を東洋医学的に読み取り、そこを解きほぐしていく。読んでコリがほどける「治療本」。【もくじ】〈1〉〝中〟央の〝心〟臓・自覚
数学が楽しいなんて、信じられる?ストローの穴を数えたり、最強の暗号をつくったり……受験大国・韓国発! 「ワクワク」が数学力を目覚めさせる「なんで数学を勉強しなきゃいけないの?」数学大好きなキム・ミニョン教授は、だんだん難しくなっていく数学を前に不安そうな2人の生徒に出会う。英語は好きだけど数学は苦手なアイン、計算は得意だけど楽しくないジュアン。数学に自信をなくしたまま大人になった編集者ボラムも含め
しくじり続きの飲酒の夜々、苦しみと発見の断酒の日々––––元アルコール依存症の女性ライターがつづる、ユーモアとペーソスたっぷりの再起エッセイ!【『アル中ワンダーランド』まんきつさん推薦!】「共感しすぎてつらさをともなう一冊であると同時に パズルのピースがピタリとはまる解放感がありました」サラはニューヨークで働くライター。6歳でビールの味を知り、学生時代はバーボンでバカ騒ぎし、就職した新聞社ではワイ
「人類はウイルス、細菌、寄生虫との戦いと共生の歴史。読むとやめられなくなる」──養老孟司リウマチ・膠原病、クローン病、さらに花粉症、アトピー性皮膚炎などの疾患は、なぜ起きるようになったのか? その背景から、人類が何万年もかけて積み重ねてきた進化の物語を読む。自己免疫疾患(体を守る免疫が逆に自分の体を攻撃する疾患)とは、清潔で快適な環境を求めてきた人類の代償というべき「宿業の病」。そのような病が生ま
からだのバリア機能=皮膚の力を高めるスキンケアがさまざまな悩み・不調を改善する。花粉症/アトピー性皮膚炎/フードアレルギー/帯状疱疹副腎疲労症候群/ニキビ・吹き出物/乾燥肌/毛穴/シワ/たるみシミ・くすみ/抜け毛・薄毛/かゆみ/やけど/あから顔/クマお肌のトラブルはからだのSOS。美しく健やかな肌で毎日を楽しく過ごすための知恵をイラスト図解多数にて伝授。【目次】はじめに第1章 みんな知っておきたい
つながりすぎた社会で〈二人であることの孤独〉を取り戻す若きアーティストによるSNS時代の恋愛・制作・人生論「本書が捉えようとするのは、すべてがつなげられた社会から脱出して二人の時間を過ごし、その後で、労働や学校、家族といったつながりへと帰っていくことを可能にする世界制作の方法である。つまり二人のあいだで接続と断絶を様々に組み替えて、自分たちの手でストーリーを作る方法の模索である。そうした行き来を可
吉本家は、薄氷を踏むような〝家族〞だった。戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。小説家の妹・吉本ばなな。そして俳人であった母・吉本和子――いったい4人はどんな家族だったのか。長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収
本は違う世界の光を届ける窓図書館は人と人の出会いの場所司書の仕事はケアにつながる奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支
吉本のお笑いが本格上陸する前夜、「東京のお笑い」を育てた男がいた。日本初のお笑いライブ開催から、サンミュージックで「一発屋製造工場」を立ち上げるまで。そのウラとオモテを駆け抜けた抱腹絶倒の半生とは!? 現役大物芸人たちが口をそろえて、【東京の芸人で世話になっていない人間はいない】という、TVでは見られない(!?)伝説の芸人「ブッチャーブラザーズ」のリッキー兼サンミュージック副社長岡博之が、「付き人
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