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NICU(新生児集中治療室)を舞台にした、小さな命をめぐる感涙の物語。著者の経験を元にした新たな代表作誕生!新生児仮死で生まれてきた赤子の母、胎児に染色体異常があると告げられた女性、看護師、臨床心理士、清掃員、医師ーーさまざまな視点から描かれる、NICU(新生児集中治療室)という「この場所」。小さな命のきらめきに、こんなにも心を動かされる。医療現場を舞台に著者が新境地を拓いた連作長編小説。 ずっと、18トリソミーではなかったのなら、どんなにいいだろうと思っていた。けれどもし、その願いが叶うことで、生まれてきた赤ちゃんが心(ここ)ではなくなってしまうのならば、意味がなかった。心でよかった。心がよかった。 重なっている手の指。カーブした足。何もかもが特別で、愛おしかった。心だけの形。あらゆる部分が、可愛らしい。(本文より)
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