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あらすじ

何かを追いかけているのか、それとも何かから逃げているのか。父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽――青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、京都文学賞を受賞。越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。

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