王様・田端到の だから血統はやめられん!

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あらすじ

競馬予想において、いま最も人気のある予想ファクターが「血統」。ただ、競馬初心者が血統を使って馬券で勝ち続けるのは容易ではなく、ハードルの高さを感じている競馬ファンは少なくない。本書はそんな競馬初心者、血統初心者にもわかりやすく、コースごとに好走する血統、凡走する血統を解説。さらに、「このコースで走っているから買い!」で終わらずに、「なぜ走るのか」「どうして2、3着が多いのか」など血統による成績の違いを、血統背景、コースの特徴、馬場状態から考察、解説することで、ベテラン競馬ファン、コアな血統ファンも心底納得できる内容となっている。「腑に落ちないことがない」1冊だ。2019年、ディープインパクトとキングカメハメハという2頭の偉大な種牡馬がこの世を去った。血統ファンのあいだではディープを知れば、そしてキンカメを掴めば馬券が当たると言われるほど、どのコースでも上位に顔を出す種牡馬だが、生産界、血統界では、すでにし烈なポスト・ディープ、ポスト・キンカメをめぐる戦いが始まっている。本書でもいち早くディープインパクト産駒のキズナ、キングカメハメハ産駒のロードカナロアについて、多くのコースで取り上げているのをはじめ、2020年デビュー、2021年デビューの新種牡馬の好走コースにも言及。象徴的なのが以下。本書内に以下の記述がある(中京ダート1400mより抜粋)。アドマイヤオーラは残念ながら早世してしまい、現役産駒は2020年に5歳となったアルクトスら残りわずかだけれど、そこで思考を止めてはいけない。「同じアグネスタキオンの血を持つ馬にも適性があるはずだ」というふうに思考を広げればいい。過去の結果だけにとらわれず、そこから導き出される考察、血統背景から今後の活躍を占う、応用の利く血統予想論を広げるという本書の方針が見て取れる内容だ。本書には随所にこのような血統予想論が散りばめられており、それでいて平易かつ軽妙な語り口で初心者にも読みやすいのが特徴的。30年近くにわたって血統を研究し続けてきた田端到氏だからこそ出せる味で、本書「まえがき」にも田端流の味がにじみ出ている。

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